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2006年08月02日

摂理と借金

教祖によるレイプが問題となっている韓国の新興宗教「摂理」。

被害女性はマインドコントロールされていて、
なかなか被害が明るみにならなかったらしい。

このニュースを見た感想は、
統一教会にしろオウムにしろ悪徳商法にしろ、
なんで、こんなバカバカしいものに簡単に騙されるのか、ということ。

でも、この騙されるメカニズムは
意外とシンプルで明快だ。


摂理の教祖が言っていたセリフ、
ここに騙されるメカニズムが存在する。

疲れた人、重荷を負っている人は、私のところに来なさい。

実はこれは聖書に書いてある言葉らしいのだが。

キリスト教が悪いとは言わない。
ただ、キリスト教の教祖キリストは故人だ。
故人に煩悩はない。
しかし摂理の教祖は故人ではない。
煩悩を持った生身の人間だ。

心に神や仏を持つのは悪いとは言わない。
人間は弱い生き物だから、
心の支えは必要な人もいるだろう。

死への恐怖から逃れるために、
天国や極楽という考え方を作り出し、
煩悩を戒めるために、
地獄という概念を生み出した。
それは欲望や恐怖から社会秩序を守るための、
人間の知恵であると言えるだろう。

しかし、神や仏は、
自分の心の中に持つものであって、
生身の人間に求めてはいけない。

生身の人間には必ず煩悩がある。
真に悟りを開いた人など、絶対に存在しない。
死ぬ前に悟りを開くなど、
本当に悟りを追求する人ならば、
絶対にあり得ないと答えるだろう。


話がそれたので元に戻そう^^;



心に疲れや重荷を負っているとき、
人は冷静な判断能力を欠く。

また、そのような心理状態のとき、
人は厳しい言葉ではなく、優しい言葉を求める。

この
「疲れた人、重荷を負っている人は、私のところに来なさい。」
というセリフは、
マインドコントロールを掛けやすい心理状態にある人を、
ロックオンするための言葉だ。

マーケティング的に言えば、
ターゲット層にのみ的確にメッセージを伝える。
つまり、「カモ」を救い上げる「ふるい」の役割を果たす。

そして心に疲れや重荷を負っている人は、
かなりの高確率で、簡単に釣り上げられてしまう。


これは、借金相談に乗っていれば嫌でも気づくことだ。

私に借金の相談をしてくる人は、かなりの確率で、
私の厳しい言葉から逃げようとする。

そして、優しい言葉をかけてくれる相手、
自分の気持ちを「わかる、わかるよ」と聞いてくれる人にすがろうとする。

疲れを癒し、重荷を取り除いてくれる人が神様に見える。



しかし、この世に神はいない。
神はあの世にのみ存在する・・・。
この世に存在する神は、すべて「えせ」だ。

この世に存在する人間は、
すべて煩悩を持った生身の人間であり、
欲望を持った低俗な生き物である。

仮にあなたに好意を持って近づいてくる相手であっても、
そこには煩悩を満たすための「何か」が必要だ。




悪いのは摂理である。それは間違いない。

しかし、仮に教祖が逮捕されようと死刑になろうと、
性的暴行を受けて負った心の傷が、必ずしも癒えるとは限らない。

自分を守るのは自分自身しかいない。

心の疲れや重荷を軽くしてもらおうと他人にすがり、
その結果、心の疲れや重荷は軽くなったか?
かえって重くなったのではないか?
新たな心の疲れや重荷を抱える結果となったのではないか?

心の疲れを癒し、重荷を軽くしたいのなら、
自らが強くなるしかない。
心も体も同じだ。
体の疲れを癒し、重荷を軽く感じるためには、
疲れない体をつくり、より重い荷物を持つ体力をつけるしかない。

人生において、
疲れない、という選択はない。
荷物を持たない、という選択肢もない。
また幸運にも、
破壊されるほどの疲れや重荷はやってこない。
ギリギリの試練が与えられるだけだ。
ギリギリの試練が与えられたとき、
逃げるか、立ち向かうか。
ただそれだけの違いなんだ。
ギリギリの限界を超えたと感じた場合、
そのときは一旦医師の助けを借りればいい。
でも決して逃げてはいけない。
逃げるならば「カモ」となり、
新興宗教や悪徳商法の餌食となる。
そしてまた、多重債務者となる。


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posted by 鬼 at 11:42 | Comment(4) | 人の生き方について